社会性の人類学的探究 トランスカルチャー状況と寛容/不寛容の機序

小池英文写真展「THE DELTA ~ ガンジスの海・聖なる島」トーク・イベント

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写真家小池英文と文化人類学者外川昌彦によるインド・カンジスの聖地の写真展についてのトーク・イベント。

日時:2024年9月16日(月・祝)15:00〜16:00

会場:新宿 OM System ギャラリー(旧オリンパスギャラリー東京)
   〒160-0023
   東京都新宿区西新宿 1-24-1 エステック情報ビル B1F
   電話番号:03-5909-0190

写真展会期:2024年9月12日(木)〜9月23日(月・祝)10:00~18:00
      (ただし9月17日(火)、9月18日(水)は休館、最終日15 時まで)

トーク登壇者
小池英文
写真家。1964 年東京都生まれ。都立高校を一年間休学し米・カリフォルニア州に渡る。現地公立高校を卒業後、アメリカ全土を旅する。大学卒業後は海外取材を繰り返し、写真と記事を多くの新聞や雑誌に発表。近年は国内にも目を向け、2017 年に写真集「瀬戸内家族」(冬青社)を刊行。同作で林忠彦賞最終候補にノミネートされる。また同名のフォトエッセイを産経新聞およびYahoo ニュースに連載中。

外川昌彦
文化人類学者。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授

共催


小池 英文 写真展 「THE DELTA  ~ ガンジスの海・聖なる島」

インドのガンジス川の下流域には、広大なデルタが広がっています。
その南端に浮かぶガンガサガール島を訪ねて25年が過ぎました。
島は聖なるガンジス川が海と出会う場所として、古来より人々の信仰を集めてきました。打ち寄せる波に身を投げ出し、歓喜の声を上げて海に祈りを捧げる人々の姿は、まるで海に生まれた生命の記憶が呼び覚まされてゆくような、とても美しい情景でした。

一方、訪問を重ねるたびに見えてきた風景もありました。
それは島の海岸線に刻まれた天災の爪痕です。
サイクロンの通り道にあたるこの地域は、高潮によりこれまで多くの犠牲者を出してきました。それでも島に暮らす人々は、自然に打ち勝とうとは考えてこなかったといいます。彼らの自然に対する考え方は、恐ろしいから大事にする、というものです。自然にいたずらに抗うのではなく、それを神格化することで巧みに価値転換をはかってゆく。たとえば海に飲まれて命を落としたとしても、「母なるガンジス」に還ってゆくのだから幸せなことだ、とその死を人生最大の至福へと昇華させてゆきます。おそらく彼らの胸の内には、自分たちの生命も自然界の一部だという意識が、今もしっかりと息づいているのかもしれません。

堅牢な防潮堤で自然と一線を画すのではなく、生死を内包する大きな自然観によって心の安寧を保つ人々。熱帯デルタに生きる人々の姿を通して、人と自然との関係性をもう一度問い直してみたいと思います。

作品点数 55点

■期間
2024年9月12日(木)~ 9月23日(月)10:00 ~ 18:00 最終日 15:00 まで 
入場無料 ※休館日9月17日(火)・18日(水)

■トークイベント
◇9月14日(土) 15:00-16:00
 小池英文 (写真家) ×佐伯剛 (風の旅人編集長)

◇9月16日(月・祝) 15:00-16:00
 小池英文(写真家) × 外川昌彦(文化人類学者・東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)