社会性の人類学的探究 トランスカルチャー状況と寛容/不寛容の機序

〈人類学カフェ〉「ある春のための上映会―石巻から震災を描いて」

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日時:2023年5月21日 (日) 14:00-17:00 
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所303号室


概要

映像作家の佐藤そのみさんの2つの作品の上映とトークからなる「ある春のための上映会―石巻から震災を描いて」を開催します。

佐藤そのみさんは、東日本大震災時に大川小で妹を亡くされ、その後映像作家となってフィクションやドキュメンタリーを制作されています。

今回上映するのは、震災遺構として整備される前の大川小学校の中で撮影されたフィクション作品「春をかさねて」と、佐藤さんを含む大川小で妹や同級生を亡くした当時小中学生だった方が故人に向けた手紙を読む形式のドキュメンタリー作品「あなたの瞳に話せたら」の2本です。

両者はフィクションとドキュメンタリー双方の形式を持って相互補完的な関係にあります。


プログラム

13:30 開場
14:00 オープニング   
   西井凉子(東京外国語大学AA研)
14:15-15:30 作品上映
   フィクション作品「春をかさねて」
   ドキュメンタリー作品「あなたの瞳に話せたら」
15:30-15:45 休憩
15:45-16:55 トーク+質疑応答
   佐藤そのみ(映像作家)+丹羽朋子(国際ファッション専門職大学)
16:55-17:00 クロージング 
   丹羽朋子

<佐藤そのみさんからのメッセージ>
2011年3月以来、1年目、2年目と毎年春がくる。それは日々の区切りでもあり、自分と向き合い、自分を見つめなおす時間でもあります。作品を観ることで、観た人にも自分と向き合う時間をもってもらえたらと願ってます。


作品紹介
『春をかさねて』(2019年/45分/劇映画)

震災から1ヶ月が過ぎた、とある被災地。津波で妹を亡くした14歳の祐未は、この経験を発信しようと、次から次へと訪れる記者からの取材に応えていく。一方で、同じく妹を亡くした幼馴染・れいは、東京からやってきたボランティアの大学生へ恋心を抱き、メイクを始める。ある放課後、祐未はそんな彼女への嫌悪感を吐露してしまう。

監督・脚本・編集:佐藤そのみ
撮影:織田知樹、李秋実
出演:齋藤小枝、齋藤桂花、齋藤由佳里、芝原弘、秋山大地、安田弥央

『あなたの瞳に話せたら』(2019年/29分/ドキュメンタリー)

東日本大震災で多くの犠牲を出した"石巻市立大川小学校事故"にまつわるドキュメンタリー。撮影は、震災から8年半が過ぎた2019年12月。大川小で友人や家族を亡くした当時の子どもたちは、あれから何を感じ、どのように生きてきたのか。それぞれが故人に宛てた手紙を織り交ぜながら、自身も遺族である「私」が、カメラを持って向き合う。

東京ドキュメンタリー映画祭2020 短編部門「準グランプリ」「観客賞」受賞作
監督・撮影・編集:佐藤そのみ

■監督プロフィール
佐藤そのみ(映像作家)
1996年、宮城県石巻市出身。幼少期に地元で映画を作ることを志す。2011年の東日本大震災で、石巻市立大川小学校に通っていた二歳下の妹を亡くす。日本大学芸術学部映画学科在学中に、石巻市で数本の劇映画やドキュメンタリーを自主制作する。現在は東京都在住

■企画・聞き手プロフィール
丹羽朋子(国際ファッション専門職大学講師)
インテリア関連企業の勤務を経て、文化人類学研究に従事。日本と中国のものづくり文化や、2011年以降は東日本大震災の記録と表現に関心をもち、作り手に学びながら調査研究を行う。記録映像を創造的に活用する展覧会やワークショップ、上映座談会等の企画・制作にも携わる。


主催・共催  

連絡先

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・基幹研究人類学
kikanjinruigaku★gmail.com (★を@に変えてください)