社会性の人類学的探究 トランスカルチャー状況と寛容/不寛容の機序

緒方 しらべ

緒方 しらべ

助教
東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1
Email:ogatas[at]aa.tufs.ac.jp
個人ウェブサイト:
研究テーマ:芸術の文化人類学,ナイジェリア地域研究


芸術を成す諸要素やライフストーリーを通して,人が生きることについて記しています

モノ,感覚,制度といった芸術を成す諸要素と,カネや生業,信仰,人間関係やコミュニティなど人びとが生きるために必要なコトや出来事から成るライフストーリーを通して,人びとがこの地球・世界で生きることについて,エスノグラフィの記述というかたちで書き記しています。主な調査地はナイジェリア連邦共和国です。
ナイジェリアのアートというものを明らかにしようとすると,ローカルなコミュニティにおける相互扶助や信仰から西洋近代に端を発するアートマーケットや美術史まで,アートを維持し成り立たせている諸要素が立ち現れます。また,個々人の語りであるライフストーリーも,そうした諸要素の繋がりを見出す示唆を与えてくれます。アートや芸術という名を冠するモノ・実践はジャンルやカテゴリー,作品や活動を指すだけではなく,私たち外部の者たちを含めた人間の視点や生活世界・環境,生きる術など,アートという既存の枠を超え出たモノゴトに繋がり,展開していくことが,この研究の面白いところです。

最近取り組んでいることは?

ナイジェリアの地方都市で行ってきた調査の方法や得られた理論を応用し,日本の京都市でも調査を行うことで,両者の比較研究を試みています。アートに注目すればするほど地域のあり方が見えてくるところは,ナイジェリアのケースと共通しています。同時に,例えば京都市左京区では飲食店を介したアートの受容や促進の傾向が強いことなど,国や地域に固有の特徴も浮かび上がります。「遠いアフリカのナイジェリア」の研究に終始せず,身近なアジア・日本のあり方や私自身についても再考する研究をめざしています。


研究プロジェクト:


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