社会性の人類学的探究 トランスカルチャー状況と寛容/不寛容の機序

吉田 ゆか子

准教授,博士(学術)
東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
Email: yoshidayu[at]aa.tufs.ac.jp
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研究テーマ:文化人類学,インドネシアの芸能・宗教・仮面文化の研究


バリ芸能に現れる身体とモノから,多民族国家インドネシアの諸側面を考えています。
インドネシアのバリ島の芸能について,自らも音楽や舞踊を習いつつ人類学的研究を行っています。現在特に関心を持っているのは,多民族都市ジャカルタにおけるバリ舞踊の展開です。バリ州の人口の大半はヒンドゥ教徒ですが,インドネシア国民の圧倒的多数はムスリムです。従来ヒンドゥ教と結びついていたバリ芸能が,ジャカルタという都市空間で,イスラーム的倫理観や身体観と齟齬をきたさぬよう,新たに意味づけられたり,変質させられたり,創作されたりする様を調査しています。ムスリムとヒンドゥ教徒の間の相互対話や交渉を,身体的な関わりのレベルにとらえることが狙いです。
加えて,バリ島内でも芸能を切り口とし,複数の研究テーマに取り組んでいます。その一つは,仮面や衣装といった芸能に使われるモノと人々の関わりを追いながら,モノが表現や伝承に与える影響を考察し,非人間中心的な芸能研究の可能性を探求するというものです。また近年は,身体に障害のある役者達の演劇活動にも注目しています。演技や観客の受容の在り方を分析し,そこに現れる人間観や身体観を考察しています。


最近取り組んでいることは?
数年前からバリ島だけでなくジャカルタへと調査地を広げ,現地のヒンドゥ教寺院,文化施設,芸術系教育機関に出向いています。ジャカルタでは,バリ芸能を学ぶ人達に圧倒的に女性,しかも小さな子供が多い点が特徴です。私自身はこれまで男性の芸能を研究することが多かったのですが,最近では女性舞踊の理解を深めようと,少女達に混ざって,一緒に舞踊レッスンを受けたりもしています。


研究紹介:

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